2021年05月18日

正午の茶事

稽古を初めて一年ほどした時たまたま本屋で裏千家学園のことを知って学校見学に伺った。当時事務所に居た佐々木博邦先生に2時間ほどお茶のことを教えてもらいました。知らないことばかりで大変なことに挑戦しようとしているのだとこの時初めて気づきました。家族にも茶道を嗜んでいる者もなく全て手探り状態でしたが、理解ある両親も祖母も賛成してくれたので入学することができました。
2年生になると稽古茶事の授業があります。順番を覚えることもままならず一番大変だったのは趣向を考えることでした。茶事の取り合わせや趣向は自己表現だと思います。自分がどういう思いで掛軸の語句を選び、道具を考えているのか、ストーリーを組み立てながらしかも、お客さんを楽しませてることを考えなくてはならないのです。
ここにお茶の一つの根幹となることがあるのです。
それは『あなたのために、お先にどうぞ』という誰かを思いやる気持ちです。
取り合わせをしていると次から次へとストーリーが湧き上がりとても楽しいものです。そうするとあれもこれも入れ込んで『お客さんに見せてやろう』とか『気を衒ったことをして驚かせてやろう』と気持ちが湧いてきます。

しかし相手のことを優先するに考えてみると自分の想いを押し付けてることになってしまいがちなので気をつけないといけないのです。ここで必要なのが素直な心、謙虚な心です。

お茶をいただくとき(お先に』『お客さん相伴します』と挨拶を周りの方に言ってから、自分のお茶をいただきます。この何気ない動作の中で『譲る心』を養っているのです。


社中の皆さんよく勉強をして来られたので本当に楽しませてもらいました。
そして同時に弟子に鍛えてもらえるのが先生の醍醐味です。

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待合 薫風自南来

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露地は心を露わにする場所、俗世を離れるためここを通ります。

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言葉が少なく想いを漏らさないように、無言で迎え付け

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蹲の水で心身ともに清めてから茶席へ

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お茶の前の空腹を満たすための簡単な食事懐石 華美にならないように質素に
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亭主自ら給仕役 自ら行うことが仏道にも通じる

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炭手前の後は後座へ 準備ができたら銅羅で合図を

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床の間の無双鍵に花。 花は一種二種軽く入れるのが良い(南方録)

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緊張の濃茶の後は薄茶でほっと一息 隅田川に浮かぶ都鳥(ユリカモメ)



posted by torianchado at 17:59| Comment(0) | 日記
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