京の女性『大丸呉服店であつらえた着物を二度も染め直した、帯は西陣織で二年がかりであつらえた』と得意気。
大坂の男性(最近食べたものを並べて)『年中食べ物のことで忙しい。食べ物は酸いも甘いも知り尽くしている』と満足気。
江戸っ子は『酒は正宗に限る』と称え、『知人が酒を断ったと言いながら焼酎など他の酒精を飲んでいる』と話している。
柳下亭種員(りゅうかていたねかず)『京の着だおれ 大坂の喰いだおれ、江戸の呑みだおれ』より
その他多くの文人や学者、有名役者が評を残している。
大坂について
浮世草子作家井原西鶴(大坂人)『大坂人はぱっとし世を送る』
狂歌師、戯作者大田南畝(江戸っ子)『人の心が陽気である』
儒学者広瀬旭荘(大坂人)『貪欲で富を尊ぶ』
京都について
歌舞伎役者姉川新四郎(大坂人)『自分の姿を飾り、表を美しくする風議』
狂歌師、戯作者大田南畝(江戸っ子)『人の心が陰気である』
儒学者広瀬旭荘(大坂人)『京の人は誇り高い』
江戸について
歌舞伎役者姉川新四郎(大坂人)『人と並んで歩くときでも下がって歩くことを嫌う』
儒学者広瀬旭荘(大坂人)『血気盛んで冠位爵位を尊ぶ』
小学館(江戸諸国萬案内より)
今でも京都の人は自分は京都人だと言う人が多い気がする。天皇が幕末まで住んでいたという誇りが京都の人には感じられる。
大坂の人は江戸時代武士がほとんど住んでいなかったため、自由で庶民的な感じがする。
東京生まれでなくても住んでいると、確かに人より早く電車に乗る、人より早く歩くなどの習慣が身についてくる

とにかく、今も昔も人が多い

安政五年(1858年)の調査によると江戸の人口は100万人しかも約半分が武士

ちなみに京都と大坂の人口は30〜40万人武士は2000人以下。庶民にとって特権階級の武士が街にいるかいないかでは気持ちもずいぶん違うのだろう。