2012年08月28日

モテる職業

歌舞伎の市川染五郎さんが奈落に転落したニュースに驚いた。歌舞伎役者もやはり身体が資本なので一日も早い回復を願うところだ。江戸時代の男性の職業で歌舞伎役者は女性に人気の職業だった。それは今も変わらない(^^)中には千両役者も居て年間の稼ぎが千両超える役者も居た。ただ、職業柄やはり派手な生活をする役者が多かったので、幕府から給料を制限する命令がたびたび出たらしい。特に倹約令などの法律が出た時には給料が半分になった役者もいた。女性に人気の職業トップ3のうちの1つに数えられていてとにかくモテる。ではその他のモテる職業はというと『相撲取り』『町火消し』だった。それぞれ人気には理由がある。まず相撲は歌舞伎と並んで江戸庶民の楽しんだ娯楽の一つで、驚いた事に観戦出来るのは男性のみで女性は許されていなかったようである。戦う姿は見られないけど優しくて力持ちな力士は人気があった。最後の町火消しはいまでいう消防隊員。むかしは火事が起こると水をかけるのではなく火の燃え移りそうな建物を壊した。今の消火栓から出る水圧の水は当時では無理な話で『龍吐水なるポンプ派存在したが、現代の子供の水鉄砲並の威力だったとか。火事と聞けば一目散に駆けつけ纏を振る。纏は火事の位置を正確に知らせるために重要な目印。そしてそれぞれの組頭は風の方向を読み火の移りそうな場所を的確に判断し燃え移る可能性のある場所を壊す。少しでも気を抜けば命の危険にさらされるそんな職業だ。町火消しは普段は別の職業を持っていてほとんど鳶職の者が火消についた。やはり屋根の上などに登り慣れているほうが良いのだ。喧嘩っ早い彼らが力士と喧嘩になり大騒ぎになった記録がある。江戸時代のドキュメンタリー(ゴシップ、うわさ話なども含まれるがかなり面白い内容)ともいえる『藤岡屋日記』には鳶が力士にケンカをふっかけ、力士が相手にせずに部屋に戻ると親方そいつは我慢ならねぇと仕返しに行き大乱闘になったと記録がある。そんなさばけた気質が当時の女性にはかっこよく見えただろう。まぁみんな職業には一生懸命だったろうが殊更多くの人の注目を浴びる職業が女性に人気なのは今もむかしも変わらない気がする。因みにこの町火消しはかの有名な大岡越前守忠相によって創設され、いろは47組に分けられて担当区域の消化活動を行った。今の消防署の組織は江戸時代の町火消しのシステムがそのままベースになってるとのこと。
posted by torianchado at 18:10| Comment(0) | 文学雑事
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