2012年02月06日

春来草自生

春来草自生(はるきたりてくさおのずからしょうず)と読みます。
兀然として無事に坐すれば、春来たって草自ら生ずというのが原文。景徳伝燈録という書物にのっています。

意味は一切のはからいを捨て、ひたすら坐禅修行しておれば、春が来て草が自然と生えるように、いつかは悟る時が来るの意味。兀然(こつねん)は動かぬ様子をいいます。

今やるべきこと、居る立場にひたすら打ち込めば道は開けてくるという意味ですね。

(西部文浄禅語の味わい方より)
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2012年01月21日

銀碗裏盛雪(ぎんわんりにゆきをもる)

当たり前だけど毎日寒い日が続く。
昨日は東京でも初雪が降った。
裏千家の学校在学中、授業中に稽古を
みてくれた先生にこの禅語の話を聞いたことがある。
ちょうど京都でも朝から雪が降っていて、寒い中
水屋当番を終え授業に入って一息ついた、そんな
時に先生から聞いた禅語。

銀碗裏盛雪(ぎんわんりにゆきをもる)

差別を超越した平等、平等の中の区別。
中国の巴陵禅師のお言葉。
巴陵は禅とは「銀盌のうちに雪を盛る」ことと答えました。
銀色の盌に雪があってもどちらも清浄というところでは平等であるが、
よく見るとどちらも別物です。
二元を自覚しながらも、それらを統合することが真の清らかさとなるのでしょうか。

ちょっと難しい。
その時その場で全身全霊を打ち込んで
純一無雑(じゅんいつむぞう)になること、という意味もある。
(西部文浄 禅語の味わい方より)
何かに夢中になって取り組んでいるといつの間にか
自分と取り組んでいることが一体化してることがある。

その月のお家元道話で鵬雲斎大学宗匠(当時はお家元)
が『夢中でお茶をしなさい、そうすれば自分が茶になり、
最後には、茶が茶になる』と話をしていただいたが
同じような意味なのだろうか?
posted by torianchado at 14:22| Comment(0) | 禅語

2012年01月19日

松無古今色

先日初釜で床の間にかけた鵬雲斎大宗匠の軸に書かれてありました。

「松無古今色」(まつにここんのいろなしとよみます)

「松に古今の色無し、竹に上下の節有り」というのが、全句である。
松は季節の変化に関わらず、常に緑の葉におおわれている。まわりに惑わされることなく、変わらざる心で生きたいものである。竹には上下の節がある。それぞれの立場をわきまえてこそ、秩序も保たれる。私心を捨てて、互いに助け合っていきたいものである。 (柴又.万福寺ホームページより抜粋)

対句になっていますが、つまるところ環境や周りに左右対称されない心を持ちなさいという教え
なんですね。
自分自身を常に持ち続けること、難しいですが精進したいですね。
posted by torianchado at 17:12| Comment(0) | 禅語

2012年01月04日

日々新

日々新(にちにちあらた)と読みます。
毎日朝起きて、毎朝『今日も新しい一日が始まる』と心を一新して日々を過ごせばこのように思えるのではないかと思います。
たとえ昨日が最低の一日だったとしても、時間は流れ、人の感情も刻々と移り変わります。
夜眠る前に今日一日を反省し、明日は謙虚に生きようと誓い眠りにつく。そしてあくる日の朝新しい一日が始まり新しい心で過ごす。昨日にこだわらず今日を生きることが大切だと思います。
出典は中国の殷王朝の初代王の湯王が『まことに、日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり』という言葉を洗面器に刻みつけ、心を磨いたという故事からです。
皆さんも一度実践してみてはいかがでしょうか
posted by torianchado at 07:54| Comment(0) | 禅語

2011年12月15日

破草鞋(はそうあい)

茶席で見かける禅語で有名な言葉「破草鞋」(はそうあい)と読みます。
読んで字のごとく破れたもしくは擦り切れた草履のこと。
意味は修行に修行を重ねて草鞋が擦り切れるほど徹底して修行をしなければ本当に身につかないとのこと。
昔師匠によく言われたことですが、「人より上達したければ人の倍稽古すること」どんな道でも仕事でも近道はなくて、人と比べてではないにせよ頭一つ抜けるには費やした時間がものをいうということを茶道は体感させてくれました。今日は駄目だったとか稽古に身が入らなかったと思っていても、やはり何かしら身についていると思う。その時成果が表れなかったにしても確実に自分のものとなっている。そういうものだと思う。
どれくらい満足のいく修行をしているでしょう?自問自答してみるのもいいかもしれませんねわーい(嬉しい顔)
posted by torianchado at 00:38| Comment(0) | 禅語