土曜日の炉の稽古は今日が最後。ゴールデンウィークも近づいてきた。もうすぐさわやかな風炉の稽古に切り替わる。気分はもう薫風の五月。
床の間には兜飾りを先日の子供教室の時にみんなで飾った


京都修行時代この時期になるとヒノキでできた「大将さん」とみんなが呼んでいた兜を倉庫へ行って箱からだし、ちまきや柏餅の飾りをお供えした。節句のころになると室町時代から続く宮中出入りの
御菓子司「川端道喜」の水仙ちまきを早朝の掃除が終わり仮眠をとってから朝食をいただき着物に着替えたら車で「川端道喜」まで引き取りに行く。この菓子屋にはあと初釜の時期に「御菱瓣葩」(おんひしはなびらと読み一般的に言われる花びら餅の本当の名前)を取りに行くのだが徹夜で作るらしく朝訪ねても店の人が仮眠していて出てこなくて30分ほど待たされることもざらにある。毎朝宗匠がお茶を飲まれる時間に間に合わないこともある。見習い1年目のころはヒヤヒヤしながら店が開くのを祈るばかりだった。
東京に来て今の家に住んでから1年目は京都でやっていた行事を真似していろいろやってみた。
兜をかざる以外には、軒菖蒲、菖蒲風呂など後は粽を食べたり柏餅を食べたりした。
軒菖蒲は菖蒲自体に強い香りがありこれを家の玄関の軒においておくと外から入ってくる邪気を払えるというところから。今の五月は旧暦では梅雨の時期にあたり、湿気で病気になる人も多かったのであろう。菖蒲風呂も同じ意味合いのこと。
今日のお菓子は「ちもとさん」の「はなあやめ」

紫の練りきりで黄身餡包んであやめの花に似せてある。
ところで「いずれがあやめかきつばた」といわれるがその区別はご存じだろうか?
あやめの仲間は世界で200種類もある。見分けるのは花の基の部分の違いを見ること。
花菖蒲は「黄色」カキツバタは「白」あやめは「網目状の模様」になっている。
昔から日本人の好きな花で能の名曲「杜若(かきつばた)」もこの花を題材にしている。
花は人の心を豊かにしてくれる美しい植物。今桜が散り家の近くでは「アメリカハナミズキ」が花を咲かせ始めている。世界中の民族の中で日本人ほど花を愛でる人種はないのではと思う。
茶席に入れる茶花も外で見るあの心を奪われるような美しい花にどれだけ近い表現を花にしてもらうかがいい茶花を入れる条件だと思う。
posted by torianchado at 00:08|
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